よみがな　あり｜なし

１年(ねん)ほどむかし、ウェブページにある漢字(かんじ)によみがなを表示(ひょうじ)できる機能(きのう)を搭載(とうさい)しました。
じつは、ウェブページにある漢字(かんじ)によみがなを表示(ひょうじ)するのは、ちょっとややこしいんです。

まず、スタジオムーンリーフではＨＴＭＬで漢字(かんじ)によみがなをうつ方法(ほうほう)としてrubyタグを使用(しよう)しています。
といっても、ＨＴＭＬを知(し)らない人(ひと)にはなんのことやらわかりませんよね。

つまりウェブページで「漢字(かんじ)」という文字(もじ)によみがなをうつためには、画像(がぞう)のようなややこしいコーディングをしないといけないのです。

ruby、rp、rtという３つのタグ記号(きごう)を使(つか)ってようやく「漢字(かんじ)」に「かんじ」というよみがなが表示(ひょうじ)されます。

短(みじか)い熟語(じゅくご)のひとつやふたつなら手入力(てにゅうりょく)でもやろうと思(おも)えばできますが、ブログやニュース記事(きじ)のような長(なが)い文章(ぶんしょう)となると、とても追(お)いつきません。

このコーディングをなんとかラクにする方法(ほうほう)はないかと考(かんが)えました。

そのひとつめに考(かんが)えたのが、国語辞典(こくごじてん)や漢和辞典(かんわじてん)のような辞書(じしょ)データを使(つか)って、プログラムで漢字(かんじ)によみがなをあてる「全自動方式(ぜんじどうほうしき)」でした。

はい、無理(むり)です。

国語辞典(こくごじてん)や漢和辞典(かんわじてん)のデータは膨大(ぼうだい)です。
漢字(かんじ)の読(よ)みかたは送(おく)り仮名(がな)などの前後(ぜんご)で使(つか)われている文字(もじ)で決(き)まってきますし、地名(ちめい)や人名(じんめい)といった特殊(とくしゅ)な読(よ)みかたをする固有名詞(こゆうめいし)もふくめて考(かんが)えると、音読(おんよ)みと訓読(くんよ)みだけでは読(よ)みかたを決(き)めることができません。
開発(かいはつ)コストと、維持(いじ)コストもばかにならないので即却下(そくきゃっか)となりました。

ふたつめに考(かんが)えたことが、後(のち)に実装(じっそう)となった「半自動方式(はんじどうほうしき)」です。

まず「入力(にゅうりょく)する文字列(もじれつ)の漢字(かんじ)には必(かなら)ずよみがなをつける」という決(き)まりごとをつくり、漢字(かんじ)の後(うし)ろに半角括弧(はんかくかっこ)でくくられたよみがなを書(か)きます。

「漢字(かんじ)（かんじ）」といった具合(ぐあい)です。
これなら見(み)た目(め)にもわかりやすいし、文章(ぶんしょう)を書(か)くうえでもあまり苦(く)になりません。

そしてプログラム上(じょう)で文字列(もじれつ)を「漢字(かんじ)」と「漢字以外(かんじがい)の文字(もじ)」を識別(しきべつ)して、「漢字(かんじ)の文字(もじ)につづく半角括弧(はんかくかっこ)でくくられた文字(もじ)はよみがなとしてあつかい、ruby、rp、rtタグでコーディングされた文字列(もじれつ)を成形(せいけい)して出力(しゅつりょく)する」という処理(しょり)を通(とお)すことで、ウェブページの漢字(かんじ)によみがなをうてる機能(きのう)を実装(じっそう)することができました。

図(ず)で書(か)くとシンプルですが、プログラム処理(しょり)の部分(ぶぶん)はちょっと複雑(ふくざつ)です。
長(なが)い文章(ぶんしょう)のなかにある漢字(かんじ)すべてにたいして有効(ゆうこう)に機能(きのう)せねばなりません。

文章(ぶんしょう)のなかにある漢字(かんじ)は１文字(もじ)とは限(かぎ)りません。
文章(ぶんしょう)には漢字(かんじ)２文字(もじ)以上(いじょう)で構成(こうせい)される熟語(じゅくご)だってたくさん登場(とうじょう)します。

しかし、これをなんとかクリアしたプログラムをつくることに成功(せいこう)しました。

でもでも。
これだけでは解決(かいけつ)できない問題(もんだい)があることに長(なが)いあいだ悩(なや)まされることになるのですが、それはまた後編(こうへん)で……。

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