よみがな　あり｜なし

以上(いじょう)、８ログにわたってご紹介(しょうかい)した「よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)」最終(さいしゅう)回(かい)はこれまでのまとめです。
開発(かいはつ)の流(なが)れがわかるようにこれまでのログを振(ふ)りかえって参(まい)ります。

「よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)」

＜旧(きゅう)ふりがな処理(しょり)＞

半(はん)自動(じどう)ふりがな処理(しょり)プログラムの仕組(しく)み

＞　漢字(かんじ)によみがなをうつ【前編(ぜんぺん)】

半(はん)自動(じどう)ふりがな処理(しょり)プログラムの穴(あな)「ついたち処理(しょり)」

＞　漢字(かんじ)によみがなをうつ【後編(こうへん)】

＜全(ぜん)自動(じどう)ふりがな処理(しょり)開発(かいはつ)へ＞

フリーの形態素(けいたいそ)解析(かいせき)プログラム「Mecab（和布蕪(めかぶ)＝めかぶ）」をダウンロード・インストール

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【１】その名(な)は「めかぶ」

パスを通(とお)してコマンドプロンプトでmecabコマンドを有効(ゆうこう)にする

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【２】パスれ！

MeCabによみがな処理(しょり)用(よう)の出力(しゅつりょく)フォーマットを設定(せってい)
文字(もじ)コードをUTF8に設定(せってい)

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【３】Shift-JIS→UTF8へ

開発(かいはつ)環境(かんきょう)はWindows7。
開発(かいはつ)言語(げんご)はいまはマイナー言語(げんご)となってしまったPerlです、あしからず。

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【４】ローカルとサーバのダブルシステム

Perlからパイプでコマンドを送信(そうしん)してMeCabの形態素(けいたいそ)解析(かいせき)します。

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【５】PerlとMeCabはパイプでつながる

MeCabの読(よ)み解析(かいせき)は全角(ぜんかく)カタカナなので、ひらがなに変換(へんかん)します。

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【６】全角(ぜんかく)カタカナ→全角(ぜんかく)ひらがな

いくつもの障害(しょうがい)を乗(の)りこえてよみがな処理(しょり)を開発(かいはつ)します

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【７】ヤマにも負(ふ)ケズ

よみがな処理(しょり)がスムーズに開発(かいはつ)できるよう、MeCabの辞書(じしょ)に単語(たんご)登録(とうろく)・微(び)調整(ちょうせい)

＞　よみがな自動(じどう)処理(しょり)への道(みち)【８】１日(にち)にして成(な)らず


このようにしてよみがな処理(しょり)を開発(かいはつ)することができました。

ここまで長(なが)いログを書(か)いたのは、自慢(じまん)したい気持(きも)ちもちょびっとありますが（笑(わら)）、ほかにも理由(りゆう)がありまして。

インターネットはどんどん身近(みぢか)になっています。
パソコンだけでなくスマートフォンの普及(ふきゅう)もめざましく、いまやインターネットは大人(おとな)だけでなく、小中学生(しょうちゅうがくせい)も利用(りよう)する情報(じょうほう)ツールになりつつあります。

しかしながら、そもそもインターネット技術(ぎじゅつ)は海外(かいがい)生(う)まれ。
英語(えいご)に代表(だいひょう)されるアルファベット言語(げんご)の仕様(しよう)が中心(ちゅうしん)にあり、世界(せかい)でもマイナー言語(げんご)である日本語(にほんご)の特殊(とくしゅ)事情(じじょう)はあまり配慮(はいりょ)されていません。また、その日本語(にほんご)も漢字(かんじ)だけでなくひらがなやカタカナが入(い)り混(ま)じる、世界(せかい)でも難解(なんかい)な言語(げんご)です。ウェブ技術(ぎじゅつ)においても、漢字(かんじ)によみがなをうつのはややめんどうくさい仕様(しよう)となっています。

これらの事情(じじょう)により、日本(にっぽん)のほとんどのウェブサイトの日本語(にほんご)の漢字(かんじ)にはよみがな（ふりがな）がありません。したがって、日本(にっぽん)でのインターネット利用(りよう)には、どんな難(むずか)しい漢字(かんじ)でも読(よ)める大人(おとな)と、難(むずか)しい漢字(かんじ)を読(よ)み慣(な)れていない小中学生(しょうちゅうがくせい)ぐらいの年齢(ねんれい)の子(こ)どもとのあいだに、年齢(ねんれい)ギャップがあると考(かんが)えられます。

このギャップを埋(う)めようと、主(おも)に大手(おおて)ニュースサイトにおいては「こども用(よう)」としてやさしい日本語(にほんご)と漢字(かんじ)によみがなのある独立(どくりつ)したコンテンツを作(つく)ったり、ＵＲＬを送信(そうしん)するとページにある漢字(かんじ)によみがなをうつウェブサービスがあったり、スマートフォンにもウェブページの漢字(かんじ)によみがなをうつアプリがあったりします。

でも。
大人(おとな)も小(こ)どもも同(おな)じコンテンツを同(おな)じように閲覧(えつらん)できるのが情報(じょうほう)化(か)社会(しゃかい)の自然(しぜん)な姿(すがた)だと思(おも)うんです。また、情報(じょうほう)の受信(じゅしん)者(しゃ)がわざわざＵＲＬを送信(そうしん)しないとよみがなのあるページが見(み)られないというは、やはり不便(ふべん)です。

日本(にっぽん)においては、情報(じょうほう)を発信(はっしん)する側(がわ)が積極(せっきょく)的(てき)によみがなのあるテキストでコンテンツを提供(ていきょう)して、大人(おとな)と子(こ)どもの年齢(ねんれい)ギャップのないウェブデザインを標準(ひょうじゅん)的(てき)な仕様(しよう)にしていくべきだと思(おも)うんです。こういうのもバリアフリーあるいはユニバーサルデザイン的(てき)な考(かんが)えと言(い)えると思(おも)います。

ひょっとしたら、わたし以外(いがい)にも「全(ぜん)自動(じどう)よみがな処理(しょり)が導入(どうにゅう)できたらなあ」と考(かんが)える人(ひと)がいるかもしれません。これまでの長(なが)いログには、「よみがな処理(しょり)」を開発(かいはつ)する時(とき)にぶち当(あ)たるであろういくつもの壁(かべ)を突破(とっぱ)できるヒントが散(ち)りばめてあります。

「よみがな処理(しょり)」を導入(どうにゅう)費用(ひよう)ゼロ円(えん)で構築(こうちく)できた記録(きろく)が、どなたかの役(やく)に立(た)てば幸(さいわ)いです。

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