よみがな　あり｜なし

さて、いよいよ。
PerlでMeCabを利用(りよう)していくお話(はなし)です。

過去(かこ)においては、PerlからMeCabを利用(りよう)するためのモジュール（便利(べんり)な関数(かんすう)が詰(つ)まったライブラリのようなもの）が出回(でまわ)っていたらしいですが、見(み)つけることができませんでした。また、そのモジュールも直近(ちょっきん)のMeCabのバージョンだとコンパイルが通(とお)らないとか、直近(ちょっきん)のMeCabだとライブラリが足(た)りないとか、いろいろ不都合(ふつごう)があるらしく、モジュールを利用(りよう)しようとするとかなりテクニカルなことになりそうです。

はい、モジュール使(つか)いません。
使(つか)いませんとも。
そんなややこしいことしたくありません。

これまでのログでコマンドプロンプトでMeCabは使(つか)えるようにしたわけですから、とにかくPerlからシステムコマンドさえ送信(そうしん)できれば、モジュールなしでもなんとかなると思(おも)いました。

そして、MeCabを配布(はいふ)しているサイトの仕様(しよう)をじっくり読(よ)むと、「MeCabコマンドの引数(ひきすう)にファイルを与(あた)えると、そのファイルが解析(かいせき)対象(たいしょう)となる」と書(か)いてあります。

MeCabの使(つか)い方(かた)
http://taku910.github.io/mecab/#usage-tools

この仕様(しよう)はかなり使(つか)えます。
よみがなを得(え)たい文字(もじ)列(れつ)、あるいは形態素(けいたいそ)解析(かいせき)をしたい文字(もじ)列(れつ)を、いちどファイルに保存(ほぞん)して、それをMeCabコマンドの引数(ひきすう)として与(あた)えてやれば、得(え)たいデータが得(え)られるわけです。

PerlでMeCabを利用(りよう)する場合(ばあい)、この仕様(しよう)を利用(りよう)することにします。

まず、どんな長文(ちょうぶん)でもいいですから形態素(けいたいそ)解析(かいせき)をしたい文字(もじ)列(れつ)をすべて絶対(ぜったい)パスが特定(とくてい)できるファイルに保存(ほぞん)します。そのうえでPerlで以下(いか)のコードを書(か)いてやればMeCabにコマンドを送(おく)れます。


open(MECAB,'mecab '.'"(形態素(けいたいそ)解析(かいせき)させるファイルの絶対(ぜったい)パス)"'.'|');

openは基本(きほん)的(てき)にはファイルオープン関数(かんすう)ですが、パイプ（この場合(ばあい)は最後(さいご)の「｜」）を用(もち)いることでシステムコマンドとして利用(りよう)できます。
Perlではopenの先頭(せんとう)にパイプを使(つか)えば結果(けっか)は返(かえ)ってきませんが、最(さい)後尾(こうび)にパイプをつけるとコマンドを送(おく)った結果(けっか)が返(かえ)ってきてファイルハンドラに格納(かくのう)されます。この場合(ばあい)ファイルハンドラは「MECAB」です。
コマンドに送(おく)る絶対(ぜったい)パスはダブルコーテーションで囲(かこ)んでおくと確実(かくじつ)です。

結果(けっか)をえる時(とき)は、たとえばこう。


@Mecab_Line=();
@Mecab_Line=<MECAB>;

@は配列(はいれつ)です。
MeCabの解析(かいせき)結果(けっか)は複数(ふくすう)の行(ぎょう)にわたって出力(しゅつりょく)されます。
その行(ぎょう)ごとに配列(はいれつ)の要素(ようそ)に格納(かくのう)されます。


while(<MECAB>){
（やりたい処理(しょり)）
}

という書(か)き方(かた)もできますが、どれくらいの量(りょう)でどのような返答(へんとう)結果(けっか)となるかわからないときにwhile文(ぶん)でのループで囲(かこ)むのは、個人(こじん)的(てき)にあまり好(す)きな書(か)き方(かた)ではありません。それに、（やりたい処理(しょり)）が終(お)わるまでwhileループから抜(ぬ)けだせず、ファイルのclose処理(しょり)が後回(あとまわ)しになってしまいます。

Perlでは、open関数(かんすう)でファイルハンドラを使(つか)ったらclose処理(しょり)でファイルハンドラを解放(かいほう)してあげます。Perlはclose処理(しょり)をしなくてもファイルハンドラが不要(ふよう)となった時点(じてん)（プロセス終了(しゅうりょう)時(じ)？）に自動(じどう)でファイルハンドラを解放(かいほう)する仕様(しよう)にもなっているようですが、コードに書(か)いて任意(にんい)のタイミングでclose処理(しょり)した方(ほう)が便利(べんり)です。

したがって、ファイルハンドラに格納(かくのう)された結果(けっか)をいちど配列(はいれつ)にコピーして即座(そくざ)にclose処理(しょり)をしてファイルハンドラを解放(かいほう)、そのあとで配列(はいれつ)を見(み)ることでやりたい処理(しょり)をするのが妥当(だとう)だと思(おも)います。


まとめます。

Perlでよみがな処理(しょり)をするためにMeCabにコマンドを送(おく)るためには、形態素(けいたいそ)解析(かいせき)をしたい文字(もじ)列(れつ)をファイルに保存(ほぞん)したうえで、以下(いか)のコードを書(か)きます。


open(MECAB,'mecab '.'"（形態素(けいたいそ)解析(かいせき)させるファイルの絶対(ぜったい)パス）" -O yomi2'.'|');

@Mecab_Line=();
@Mecab_Line=<MECAB>;

close(MECAB);

foreach(@Mecab_Line){
（やりたい処理(しょり)）
}

mecabコマンドにファイルの絶対(ぜったい)パスと、よみがな処理(しょり)するための「yomi2」オプションが付(つ)きました。返答(へんとう)結果(けっか)を処理(しょり)しやすいシンプルな形(かたち)にするためです。

配列(はいれつ)をforeachで回(まわ)しているのは、ダブルシステムのローカルとサーバとではPerlのバージョンが違(ちが)うためです。Perlは新(しん)バージョンでとても便利(べんり)なコードの書(か)き方(かた)ができるようになりましたが、旧(きゅう)バージョンで新(あたら)しい書(か)き方(かた)をするとエラーとなります。多少(たしょう)面倒(めんどう)くさくても、新旧(しんきゅう)いずれのバージョンでも動作(どうさ)するコードを書(か)くようにしています。

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